2023-12-30から1日間の記事一覧

 俳句は…たった一行の織り成す言葉 

その一句に表現されてはいない言葉の存在を知る 児 島 庸 晃 俳句はたった一行の織り成す言葉である。その中から表現されていない言葉にこそ抒情が隠されている。その言葉が想像出来る言語が一行の十七音に含まれることこそ大切なのである。一句を完成させる…

私個人のメモリアル①

おーいお茶自販機販売のお茶に私の俳句掲載 児 島 庸 晃 おーいお茶第25回新俳句大賞入賞 私の俳句掲載のお茶が贈られてきました。インターホーンが鳴り外へ出てみると荷物を持って立ってる人がいました。受け取ってみて吃驚。自販機販売のお茶2ダース入…

「死」へ向かう「生」の美学…俳人……桂 信子

「滅び逝く美しさかもね」という俳人がいた 児 島 庸 晃 「滅び逝く美しさかもね」という俳人がいた これは桂信子の句集「新緑」を読んでの感想を私に語ったときのことである。私も、そう思えるものがいくつもあったと思い出していた。 さしかかるひとつの橋…

あめんぼに自分の私性を託す俳人門田泰彦

一生を結核とも人生とも闘い死した俳人の記録 児 島 庸 晃 2007年2月14日朝のことであるが私にとっては忘れられない思い出がある。24時間勤務を終えて施設を出ると身体ごと吹っ飛ばされる。不意打ちというただならぬ出来事。ふたたび両足で踏ん張る…

俳句の本物とは何なのか

私 性 の 句 体 を 再 思 考 児 島 庸 晃 日々の生活の中で本来の人間の心を真に維持してゆくのが、どれほど大変なことなのか。冬日が私に囁きかけてくる部屋の隅でその日差しを見詰めていた。そしてその傍に置かれた新聞を見詰めていた。その新聞の連日の見…

神戸新聞読者文芸 私のメモリアル④

神戸新聞読者文芸 小説部門入選作品 予 想 屋 … 哲 ち ゃ ん (2017年12月4日朝刊掲載) 児 島 庸 晃 哲ちゃんの目から一粒二粒と大粒の涙が落ちる。落とすまいと顔をあげて哲ちゃんは涙を堪えた。 春の青空は何処までも澄みきっている。天を仰いでい…