武庫川河川敷を歩く

    久しぶりに河川敷を歩いてきました。もう初夏。いろいろな花に囲まれての私の今日の朝の始まり。どれも明るい光彩の花弁に、目が飛び移り心が励まされました。ここは私の、かっては鬱を棄てる場所でもあったところ。社会の仕組みに取り残されて私の心がついてゆけないとき、ここへ来て一時の笑いを貰いに、自然にとっぷりと浸り、また現実へと戻って行った過去を、いま思い出しながら歩いては、もう晩年期。花びらの色の柔らかさに、再びの心を休ませています。
 歩きつつその花びらの元気に過去の私が煌めき映り、なんとも言えない寂しさの中に時々生まれる感情の移ろいに、いまの平穏な日々が、やっと人生なのかとも。その心を句にしてはいま独歩の安定を思いつつ。以下は私の嘱目句です。
 
  蝶旅へ いま花びらの一つから 
  光芒を包む新緑 樹が薫る
  皐照り 日光浴の午後の刻
  漣の細かく進む 四月いま
  オカリナの♭〈フラット)奏での風のくる
  天空へ 水面照り染む芯在りて