神戸新聞読者文芸 私のメモリアル④

        私の俳句作品が特選になりましたのでお知らせいたします。

              令和6年1月8日朝刊掲載  

          大旦無事の脚から折りたたむ  児島庸晃

   以下は選者…わたなべじゅんこ…さんの特選評です。

 一年の計は元旦に在り。そんなわけで、この朝を、無事な方の脚から丁寧に折りたたむ。丁寧に暮らす一年が始まるのだと少しだけ緊張感を持って迎える元旦。ところで「脚」はテーブルや椅子の脚だろうか。それとも「足」なのかもしれない。だとすると痛む足をかばいながらの仕草かも。そう考えると、ひとまず片方だけでも無事であることを喜びつついる慎ましい一年のスタートとも読める。だれの脚であっても、一年ご無事で。

   以下は私の言葉です。

 俳句言葉はどのような言葉でも、一句にはなるが、感動を呼ぶ言葉にはなりにくい。

それは日常言葉と俳句言葉は異なるからである。日常言葉は正確に言葉の目的を伝えなければならす、ここには感情は含まれていないからである。俳句は情感伝達の言葉が上手くなければ読者は受け付けてくれないからである。因みに「大旦」は元日のこと。新年の季語です。…このようなことに気配りをした俳句でした。